「悪巧み」と「悪企み」、わかっていても使いたくなる誤用の例
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最終更新日:2013/07/20
140文字で変わる表現力 巧遅は拙速に如かず, 悪巧みと悪企み, 誤用, 諺
教室に入ってくる先生、落ちてくる黒板消し。
これ、本当に成功した人っているのでしょうか。本当にされた先生は、どんなリアクションをしたのでしょうか。怒るのか、笑うのか。何もかも規制するのではなく、場を和ませる程度のイタズラであれば許容できるよう時代、あったように思うのです。「こんな時代があったんだよ」と誇らしく伝えて、今は今なりの優しさに満ちた情景があることを願ってやみません。
心温まるイタズラ。皆さんはどんなワルダクミをしたことがありますか、されたことがありますか?
悪巧みと悪企み、正しいのはどっち?
「悪いことを企む」という書き方が出来るんですよね、だからつい、誤用例を使ってしまいがち。
「悪企み」は間違いで、「悪巧み」が正しい
巧みに悪いことを考えるから悪巧み。悪企みとは書きません。時代の移り変わりとともに許容される表現も増えてきていますが、試しにパソコンやスマホ、iPhoneの辞書で変換してみてください。「わるだくみ」で「悪企み」は出てこないはずです。「たくみ」と「たくらみ」の音が似ているので、使えるような気持ちになってしまうんですよね。
意味としても「企む」の方がしっくりくるような気がして、つい、誤用だとわかっていても悪企みを使いたくなることがあります。「悪企み」と書いているものを見かけて、「わー、その気持ち、わかりますよ。それ、間違いなんですけど、使いたくなりますよねぇぇぇぇ」なんて言ってしまって、相手に恥をかかせることのないようにしたいですね。知識が相手を傷付けることがあってはいけません。
巧遅は拙速に如かず
巧遅は拙速に如かずという諺があります。上手にやって遅くなるよりも、下手でも速いほうがいいという意味。完璧を求めて動かないよりも、動いていくことで結果を出していきましょうという考え方ですね。
スピード感の求められるこの時代に知っておいて損のない諺かもしれませんが、出来が悪いものを正当化するために使ってはいけません。
「今日のブログ、誤字があるかもしれませんが、巧遅は拙速に如かずなんて言いますので、どうかどうか」
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