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「彼は涼しい顔をしている」という表現に注意 ~「涼しい顔」の誤用と正しい意味と

公開日: : 最終更新日:2014/04/14 140文字で変わる表現力 ,

「皆が怒られていても、彼だけは涼しい顔をしている」「彼女はどれだけ罵倒されても涼しい顔だ」と、涼しい顔という言葉を「自分は当事者ではない、無関係」という意味で使っていることがありますが注意が必要です。「涼しい顔」の正しい意味を考えてみましょう。

「涼しい顔」のできる人は図太い人? ~涼しい顔の正確な意味について

suzusii

「涼しい顔をしている」という表現が良くない意味で使われるのは想像がつきますが、その正確な使い方については誤っていることが多いようです。

「涼しい顔」とは無関係であるかのようにすましている様子のこと。
=関係があるということ

「皆があれだけ怒られているのに、彼は涼しい顔をしているよ」と、涼しい顔を「自分には関係ないので平気な顔」という意味で表現することがありますが、逆。涼しい顔には「関係があるのに、まったく関係のない表情をしている」という意味があるので、使い方に注意が必要です。

辞書で引いてみると「涼しい」には「潔白」という意味があることがわかります。つまり「涼しい顔」は「潔白・無関係のような顔をする」ということから「自分に関係があるのに、なんの関係もない表情をしている」「しらばくれている」というのが正確な意味

たとえば教室で「A君のノートに落書きしたのはいったい誰ですか?こんなことをしてはいけません!」と先生が怒っていたとしましょう。そのとき「彼女は涼しい顔をして先生の話を聞いていた」と書けば、その説教を一切気にしていない顔が浮かびますね。ただ、これは自分に無関係だから平気な顔をしているという意味ではなく、自分が落書きをした(あるいは落書きをした犯人を知っている)にも関わらず、そしらぬ顔をしているという意味になります。「涼しい顔」の意味は、単なる「平気な顔」という意味ではないということです。

涼しい顔をしているという表現は、当事者であるのに無関係であるさまを装っていることを表します。この例でいうと「彼女」という人物が図太い神経をしていることがご理解いただけましたでしょうか。


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  • 西端 康孝 / コピーライター・歌人・川柳家

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