*

「雨模様」の本来の意味と読み方は? ~走り梅雨、梅雨雲、送り梅雨という言葉の意味と

公開日: : 最終更新日:2016/05/16 140文字で変わる表現力 , , , ,

雨は様々な歌に詠まれ、季節や情景、ときには心情を伝えるときの比喩表現としても多く用いられてきました。今回は「雨模様(あめもよう・あまもよう)」という言葉の意味について触れてみたいと思います。

「雨模様」の読み方と本来の意味と

rain

雨模様という言葉は「あめもよう・あまもよう」のどちらの読み方でも構わないとされています。辞書によって説明は異なりますが、「あまもよう」という読み方の方が「あめもよう」よりも古風であると言われています。

「雨模様」の本来の意味は「今にも雨が降り出しそうな様子」のこと。読み方は「あめもよう・あまもよう」(どちらで読んでも構わない)

雨模様の本来の意味は今にも雨が降り出しそうな様子のこと。雨が降っている状況を表現するときに「雨模様の空」という言葉を使うことは本来の意味から考えると誤用ということになります。ただ明鏡国語辞典の第2版によると、

[最近の言い方で]小雨が降ったりやんだりすること。「式典はあいにくの―の中で行われた」

という表現を認めるようにもなりつつあります。面白いのは、辞書によっては雨模様の意味を「今にも雨が降り出しそう」「雨が降っている様子」の両方許容しているものもあれば、「雨が降っている様子」は誤用と言い切ってしまうものがあるということ。岩波国語辞典の第7版を引いてみると、雨が降っている様子という意味で雨模様を使うことは誤りであると書かれています。

言葉は変化するものだけど ~文化庁の調査でわかる言葉への理解

文化庁の国語に関する世論調査では、雨模様の「雨が降り出しそうな様子」という本来の意味を知っている人よりも「小雨が降ったり止んだりしている様子」という意味で理解している人が多いという結果が出ています。

文化庁 | 文化庁月報 | 連載 「言葉のQ&A」

調査によると、60歳以上の人と20代以下の若年層が本来の意味を理解している人が多いということがわかります。一般的に、若年層ほど本来の意味とは違う意味で理解している統計が現れることが多く、雨模様に関しては意外な傾向であると言えるのではないでしょうか。

雨模様という言葉の歴史、走り梅雨、梅雨雲、送り梅雨という言葉

雨模様という言葉は、雨催い(あめもよい・あまもよい)言葉が変化して現れたもの。たとえば「眠気を催す」という状態を考えると、眠たいけれどまだ眠っていないということがわかりますね。同じことで「雨を催す」も、まだ雨が降っていない状態であるということがわかります。

雨といえば梅雨。走り梅雨とは、梅雨があっという間に終わってしまうという意味ではなく、梅雨入りする前に梅雨どきのような雨が降ること梅雨雲とは、雨模様と同じで梅雨どきの、今にも雨が降り出しそうな天気のこと。そして最後に送り梅雨とは、梅雨の終わりの頃に降る強い雨のことを言います。梅雨を送り出すイメージでこのように表現されるようになりました。

それぞれ、梅雨に入る前から終わる頃までの季節を伝える情緒ある言葉。時候の挨拶などに織り込んで見上げる空を共有しあう、それもまた素敵なことかもしれませんね。


▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼

関連記事

「御社」と「貴社」の違いと使い分け ~就活のときに覚えたルールで大丈夫? 履歴書のコツとは?

就職や転職活動のときに履歴書を書いて送るのは一般的。応募先企業のことは「御社」か「貴社」か、どちらで

記事を読む

「英気を養う」か「鋭気を養う」か。正しいのはどっち? ~ドラゴンクエストで覚える英気と鋭気

「英気を養う」か「鋭気を養う」か。「えいきをやしなう」という表現は会話でもよく耳にしますが、実際に書

記事を読む

「号泣」の誤用と本当の意味 ~映画館で号泣したら怒られます

犬が大好きなのですが、犬の出てくる映画は予告編で涙が止まらなくなってしまいます。 南極

記事を読む

「なし崩し」の意味は「曖昧にする」「うやむやにする」ではない ~なし崩しの誤用と正しい意味

「約束はなし崩しになって、結局誰もやらなくなると思うよ」という風に「なし崩し」を「曖昧にする」「適当

記事を読む

「弱冠18歳にして金メダルを受賞」という表現が間違いである理由 ~なぜ金メダルは純金ではないのか

折り紙の「金紙」「銀紙」は勿体なくて、それで何かを作ったという記憶がほとんどありません。好み

記事を読む

塩昆布!

海藻と海草の違い ~昆布がおせち料理に入っている理由

塩昆布![/caption] 今日は結論からいきましょう。 海草には、根、茎、葉の

記事を読む

特長と特徴の違い、使い分けについて ~差別化のためにしてはいけないこと

「特徴」という漢字は書くのが面倒なので「特長」と書くようにしているという友人がいましたが、この特徴と

記事を読む

「爽やか(さわやか)」の意味と使い方に注意 ~「風薫る爽やかな季節となりましたが」はOK?

時候の挨拶は手紙の書き出しで用いる礼儀文ですが、四季の移ろいを伝え相手を思い遣る一文でもあります。凍

記事を読む

ブランディングとは、トイレの前にお店を作ることだ ~差別化にはギャップを利用する

中小企業家同友会の集まりに参加、ブランディングとは何か、その取り組みについて議論をしてきました。

記事を読む

ガラスの「十代」か「十台」か ~代と台の使い分け

8人目の光GENJIを自称していたこともある@bataです。 【送料無料】【ベストアルバムSA

記事を読む

Google


▼よく読まれている記事▼


  • 西端 康孝 / コピーライター・歌人・川柳家

    コトバノを運営している神戸のコピーライター西端です。川柳や短歌で日常を綴る短歌と川柳とマカロニとというブログや徒然に毎日を表現する川柳をこよなく愛する明石のタコというブログもやっていますので、良かったら遊びにきてください。書いたり取材したり講演の仕事も承っています。
PAGE TOP ↑