*

忸怩たる思い(じくじたるおもい)ってどんな意味? ~忸怩の誤用で忸怩たる思い

「忸怩たる思い(じくじたるおもい)」という言葉の響きって独特ですよね。

「さわり」を感じで書くと「触り」。触れるという語感から「深く突っ込むのではなく、最初の部分だけさらっと触れる」と捉えられることが多いようですね。

引用元:「話のさわり(触り)」の誤用と正しい意味と ~最初の部分という意味ではない「さわり」 | コトバノ

言葉の響き、語感から意味を誤用してしまうことが多いということは以前「話のさわり(触り)」でも話題にしましたが、「ぐじぐじとする、ぐじぐじと悩む」と音の響きが似ているためか、この「忸怩たる思い(じくじたるおもい)」という言葉の意味を「ぐじぐじ悩む」と誤用しているケースが多くみられます。また、他の行いに対して腹立たしいという用いるのも誤用です。

「忸怩たる思い」とは「ぐじぐじ悩む」意味ではない

kangaeru-

「忸怩たる思い(じくじたるおもい)」と「ぐじぐじ悩む」。音の響きが似ていますが、意味は異なります。

「忸怩たる思い(じくじたるおもい)」とは「深く反省して恥ずかしいと思っている様子」のこと

「忸怩たる思い(じくじたるおもい)」とは「深く反省して恥ずかしいと思っている様子」をいいます。明鏡国語辞典第2版では「このような事態を招き、内心忸怩たるものがある」「力及ばず、忸怩たる思いだ」を用例としてあげていますね。

じくじたるという音の響きだけを聞いていると「ぐじぐじする」「腹立たしい」というイメージを膨らませてしまいますが、実際には「恥ずかしい」という意味で用いるのが正解です。言葉は時代によって変化もしますが、忸怩たるを「恥ずかしい」以外の用例で認める辞書はまだ存在しません。

忸怩たる思いを「腹立たしい」と誤用しないように

繰り返しになりますが「忸怩たる(じくじたる)」という言葉は「恥ずかしい」という意味。明鏡国語辞典第2版では使ってはいけない文例として「×連日報道される汚職事件に忸怩たる思いだ」をあげています。

私たちは、この「忸怩たる」という言葉を日常的に用いることはあまりないかもしれません。しかし改まった場や文書などで使うときに「悩む」「腹立たしい」と誤用してしまうと、かえって恥ずかしい思いをしてしまうことになりかねません。役所からの発表や政治家のスピーチなどで耳にすることの多いこの表現、使い慣れない言葉だからこそ、耳にするたび、本来の意味にあった使い方をしているかどうか確認するようにしておきたいものです。


▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼

関連記事

omiyage

お裾分け(おすそわけ)の意味と使い方、誤用について ~目上の人に「おすそ分け」って使っていいの?~

「旅行に行ってお土産を買ってきましたので、これ、おすそ分けです」「田舎からたくさん果物が送られてきま

記事を読む

知識の受け売りをする人に多く見られる語尾の特徴

成功しているように見える誰かは、そこに至るまで、きっといろんな失敗をしてきたと思うのです。本当に何の

記事を読む

「意外」と「以外」、「意外」と「案外」の使い分け

混同しがちな「意外」と「以外」、そして「案外」と「心外」の使い分けについてご紹介します。 それぞれ

記事を読む

「姑息」には「卑怯」という意味はなかった! ~姑息の誤用と正しい意味と

「姑息な手段を使いやがって」という言い方を聞くと、卑怯な方法で解決に至ったことに憤っているような印象

記事を読む

headposition

「頭が下がる」と「頭が上がらない」って同じ意味!? ~「頭が下がる」と「頭が上がらない」の意味の違いと使い分け、誤用について

「頭が下がる」と「頭が上がらない」は、その動作状態を想像する限りは同じような印象を受けますが、実際は

記事を読む

丼!

木の葉丼は関西独自のものだった! ~木っ端微塵と木っ葉微塵、正しいのはどっち?

丼![/caption] 親子丼の鶏をカマボコにしたもの、それが木の葉丼。これって関西の食文

記事を読む

kaifuku

「回復」と「快復」の意味の違いと使い分け ~快復と書いてしまうと誤用になってしまうのか

この記事を書いている今、実は頸椎間板ヘルニアで苦しんでいて、リハビリに通っています。数ヶ月様子を見て

記事を読む

どうして情熱大陸はひとを惹き付けるのか ~ブログやメルマガで発信するのは情報だけ?

そこに飛び込まずにいて、そこを論じてしまうから「お高くとまっているお前に何がわかるねん」という反論を

記事を読む

タラバガニはヤドカリの仲間だった ~タラバガニの名前の由来

カニや栗といった食べるものが面倒なものはこれまであまり好きではなかったのですが、食べやすい状態で出し

記事を読む

美魔女になった姥桜(うばざくら) ~綺麗な女性のための言葉

桜![/caption] OLという言葉を定着させたのは週刊誌の「女性自身」なのだそうです。

記事を読む

Google


▼よく読まれている記事▼


  • 西端 康孝 / コピーライター・歌人・川柳家

    コトバノを運営している神戸のコピーライター西端です。川柳や短歌で日常を綴る短歌と川柳とマカロニとというブログや徒然に毎日を表現する川柳をこよなく愛する明石のタコというブログもやっていますので、良かったら遊びにきてください。書いたり取材したり講演の仕事も承っています。
PAGE TOP ↑