やさぐれぱんだという漫画が流行したことがありますが、この「やさぐれ」という言葉には「投げやりになる」という意味は元々ありませんでした。
「やさぐれ」と「ぐれる」という言葉の響きは似ているけれど
「やさぐれ」は「ぐれる」という言葉と語感が似ているため「投げやりになる」という誤用が広がったと考えられています。
最近になって一部の辞書では、「投げやりになる」という使い方もあるという記述もするようになっていますが、この用法は元々は誤用であるという注意が添えられていることが多いようです。
「やさぐれ」は「家出をする」という意味
一部の辞書では誤用の「投げやりになる」という使い方を認め始めている
「やさぐれ」は「家出をする」という意味を持ちます。では「やさぐれ」という言葉はどうして家を出るという意味になるのでしょうか。「やさぐれ」の由来をご紹介します。
「やさぐれ」という言葉の由来
「やさぐれ」の「やさ」は刀の鞘(さや)を逆さまにした言葉で「家」という意味になります。刀の収まるところ=かえるべきところ(家)という連想ですね。
そして「ぐれ」という言葉には「外れる」という意味があります。家から外れる、家から出ていく、そうして「やさぐれ」は「家出をする」という意味を持つようになりました。家出をするくらいの嫌なことがあったのだと想像すれば、当人が「投げやりになっている」考え方も間違えているわけではなさそうですが、言葉の成り立ちを考えるときは、「家から外れる・家出をする」という意味であったことを知っておくと良いでしょう。
刑事ドラマなどで「ヤサ」という言葉が登場することがありますが、その「ヤサ」も今回紹介した「家・住居」と同じ意味になります。