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「感慨深い」と「感動」の違いは何? 「感慨深い」の正しい意味と使い方について

seityou
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「感慨深い(かんがいぶかい)」という言葉があります。この「感慨深い」という言葉が使われている場面を想像すると、ほとんどの場合は「感動」という言葉と置き換えても使えそうな気がしますが、「感慨深い」と「感動」にはどんな違いがあるのでしょうか。

「感慨深い」と「感動」の違いは、線でイメージするか、点でイメージするか

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「感慨深い」と「感動」の違いは、線でイメージするか点でイメージするかというところにあります。

「感慨深い」は線のイメージ、「過去から過去、過去から現在」までの時間(線)を含んで表す
「感動」は点のイメージ、「今この瞬間」の心の動き(点)を表す

「感慨深い」という言葉は、過去のあるときから過去のあるときまで、または、過去のあるときから現在までの時間(線)の時間を含んで表現します。

たとえば、

・優勝に向かってチーム一丸となって努力してきた3年間を思い返すと、実に感慨深い。
・反抗期もあって大変だったが子どももようやく成人式を迎えた、本当に感慨深いものがある。

このように、ある程度の時間的な努力、負担、苦労などのニュアンスを含めて表現するときは「感慨深い」という言葉を用いるとしっくりきます。

一方、「感動」という言葉は、点のイメージ。目前のものを見て感じて、胸がいっぱいになるような状況にあるときに用いることが多くなります。

・雨上がりにかかった虹を見て、感動した。
・優勝のかかった試合で主将の打ったホームランに、皆、大感動した。

そもそも「感慨深い」の意味って何?

「感慨深い」の意味は以前に経験したことを思い起こしたときにおこる、しみじみとした気持ちのこと。上述したように、感動と似ていますが、「過去」の何かがきっかけとなって心が揺さぶられるときに用います。

「感慨深い」という言葉を用いる場面で「感動」という言葉を用いたとしても誤りにはなりません。ただ、「感動」という言葉よりも深く心が動じている様子を表しますので、その達成・実現までにたくさんの苦難と時間を要したような場面で、より強く感動を強く表現したいときには「感慨深い」という言葉を用いた方が、しみじみとした心のさまを伝えることができそうです。

「感慨深い」と「考え深い」の意味の違い、使い分けには注意

「感慨深い」と音の響きが似ている言葉で「考え深い」という言葉があり、時々、混同して使われている場面が見受けられます。

「考え深い」の意味は思慮深いこと、または注意深く思いめぐらせること。字の通り「考える」という意味であって「感動する」という意味はありません。「感慨深い」と「考え深い」は違う意味ですので、使い分けには注意するようにしてください。