140文字で変わる表現力 PR

その文章、相手の想像力に委ねていますか?

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強いサッカーチームは、味方たちを信じて、フォワードは前線に残ったままであるといいます。

言葉の世界でも同じ。
相手の理解力や読解力に不安を覚えて必要以上の言葉を連ねてしまうと、それは人それぞれの持つ想像力を阻害してしまうことになります。

たとえば、

△卒業式まで、もうすぐだ。

これは事実を伝えただけで、読み手に何の想像も与えることが出来ません。ではこれを、次のような文章に改めてみて、印象の違いを検討してみます。

◯もうすぐ校舎が思い出になる。

こうすると、卒業を控えてこれまでの学校生活を回顧する作者の心理、あるいは、通っていた学校が取り壊されることになった雰囲気が伝わってこないでしょうか?

卒業なのか、取り壊しなのかわからない。ただ、思い出という単語を使うことで、その校舎に対する登場人物の想いを読者の想像力に委ねることが出来るようになります。

【釘付け】くぎづけ (名)スル 1 釘を打ちつけて,動かないようにすること。「窓を━する」 2 その場から動けないようにすること。また,その状態。「その場に━になる」 3 視線の先に、いつも決まった相手のいること。「つまりあなたに」
【釘付け】くぎづけ (名)スル 1 釘を打ちつけて,動かないようにすること。「窓を━する」 2 その場から動けないようにすること。また,その状態。「その場に━になる」 3 視線の先に、いつも決まった相手のいること。「つまりあなたに」 Photo by bata

拙作で恐縮ですが、「つまりあなたに」に続く言葉を省略することで、そこに余韻を生む効果が得られました。皆さんはどんなフレーズを想像されましたでしょうか?

説明書でないのなら、相手の想像力に委ねた言葉の置き換えと省略を考えてみる。余韻は、わかりやすい文章以上に印象の深さを与える。

文章表現は、読み手を信頼したキャッチボール。冗長に流れない話を組み立てて、相手の心に自分の個を植え付けていきたいですね。