「お得な情報を配信します」と「売り言葉ばかりがウンザリするほどやってきます」の紙一重。
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140文字で変わるコミュニケーション, 140文字で変わる経営
来店されたお客様にリピーターになってほしい。その想いから、メール会員募集という貼り紙や告知を店内で見かけることがあります。
一度登録すれば割引やイベント情報などが定期的に送られてくるようになるこの手段。上手に活用しているお店もあれば、迷惑メールと同じような扱いにされてしまっているお店もあります。そもそも、色々なことを懸念されて、登録さえしてもらえないお店も多いのかもしれません。
自分のことを話す人よりも、自分のことを聞いてくれる人の方が好き
メール配信は、自分のことばかりを話そうとする手段。店と客という関係ではなく、これが出会ったばかりの人と人との関係ではどうでしょうか。
「俺の仕事って、ちょっと特別でねぇ。で、将来はこんなことをしたいと思ってるんだ。いや、ここまでたくさん苦労してきたよー」
「どんなお仕事をされているんですか? へぇ、新しい事業に取り組まれて、大変でしょう?」
聞かされるよりも聞いてくれる、その姿勢だからこそ、こちらも自分のことを話しやすくなるのは明らかですね。情報を配信したい側は、自分のことを話し始めるより前に、お客さんのことをどれだけ知ろうとしたでしょうか。
「お得な情報を配信します」とは、お客さん側から見たとき「売り言葉ばかりがウンザリするほどやってきます」になりがち。ならば、さて。
洋服を取り扱うお店。
「そちらの服、お似合いですよ」という語りかけをやめて、「今日はどちらからお越しになったんですか?」という問いかけにしたところ、売上が劇的に変わってきました。個人情報に踏み込みすぎることは出来ませんが、当たり障りのない質問の先にこそ会話が始まるのであるということ、心に留めておきたいですね。
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