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【差別化の勘違い】対価を得る以上、お役に立つのは当たり前で。

売り気のある言葉は下心と同じですよー、というお話を先日いたしました。

「余計なお世話じゃ!」を意識して作る会話の台本。
https://www.kotobano.jp/archives/187

 

ただ実際、これって難しいことです。お客様にご納得いただけるだけの仕事をして、自分たちは対価を得ていかなければならない。そのためには何とかして選んでほしい、買ってほしい。でも、売り込んではいけない・・・。

型番のはっきりしたような商品であれば、お客様は安い方を選ばれます。180円の白菜と200円の白菜が並んでいて、どちらも同じものであれば、やっぱりお客様は180円の白菜を手にされるわけです。それが現実です。誰だってそうします。

でも、安売りはしたくない。
だから、差別化だとか、ブランディングといったキーワードを意識して、「ちょっとの違い」を表現していこうとするわけです。いこうとする・・・んですけども。

お役立ちという言葉は押しつけがましい。

 

証券会社や保険会社の人が、挨拶に来られたときの自己紹介に。あるいは、名刺交換をして後日送られてくるお礼状に、よく使われているのがこの「お役立ち」という言葉。

対価を得ているプロである以上、お客様のお役に立つのは当たり前のこと

それを殊更に主張してしまうようでは、言葉の行間から「だから買ってくださーい」という下心がどーんと飛び出してきていることに気付かなければいけません。

それがどれだけ熱い想いであったとしても、お客様にとって当たり前のことでは意味がないんですよね。経営者たちもよく、「うちの会社では理念に基づいて、お客様のお役に立つことを行動指針にしている。それが結果的に他社との差別化につながっているのではないか」といった分析をされているのですが、それをそのまま「うちの会社はお役立ちを頑張ってますよー」と伝えて、はたして、お客様の心に魅力的なフレーズとして響くでしょうか。

ひと、だからこそ、ひとの役に立ちたい。
でも、プロだからこそ、お役に立つのは当たり前。

 

役に立ちたいという気持ちだけでは、なんの差別化にもならないということ。
選ばれる自分たちになるため、もう一度、「お役立ち」というフレーズを取り除いて、行動や表現の一つ一つを見直してみたいものです。


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  • 西端 康孝 / コピーライター・歌人・川柳家

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