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カタカナを日本語にするだけで得られるコミュニケーションの効果

iPhoneの無料アプリ「サラリーマン川柳」で想像力のトレーニングをする!では上手な文章は引き算になっているということを伝えました。家電製品のマニュアルもそうですよね。詳細まで書かれた分厚いマニュアルと、とりあえず必要最低限使えるようになるためのクイックマニュアルの2冊が入っていることが多く、最近では、クイックマニュアル以外はweb上のオンラインマニュアルを参照してくれという製品も増えてきています。

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教えるや伝えるという行為は引き算で、むしろ簡易な言葉を使うことを意識するべき。読み手が検索しなければわからないような言葉を選ぶ時点で、寄り添うべき相手からは遠い場所にいることになります。

どこかで聞いたことはあるけれど、意味の分かるような分からないようなカタカナ。特にそんな言葉は読み手に劣等感を与えてしまう可能性があり、使い方に注意が必要です。カタカナを連発している姿は、香水をつけすぎて得意になっているような嫌味と不快感を与えているなんて言い切ってしまうのは極端ですかね。

ちなみにこの記事の冒頭、「マニュアル」「クイックマニュアル」「オンラインマニュアル」というカタカナを使いました。説明書ではなく、あえてマニュアルと書いてみることで、その効果はどんな風に伝わっているでしょう。改めて考えてみると、どこか、冷たいような遠いような印象をマニュアルという単語は与えるのではないでしょうか。説明書に対する絶対的な嫌悪感がそうさせるのかもしれません。マニュアル人間という言葉もありますね。

・私たちはクライアントを大切にしています
・私たちはお客さんを大切にしています

・ビジネスを進めていく
・お仕事を進めていく

カタカナを日本語に戻してみると、どうやら少し、和らいだ印象を与えるようですね。自分たちがお客様の立場であれば、どちらの言葉を使う会社やお店を選びたいか。大切なことはいつも、相手からどんな風に思われているか。伝えたい心も、嫌味な言葉が邪魔をしてしまっては素直に受け止めてもらうことはできません。職種などによってはあえてカタカナを使うことで権威を高めることも出来るのかもしれませんが、どんな仕事もお客様に対価を認めてもらうサービス業。お客さんの心から遠い言葉をわざわざ使っていることがないかどうか、その発信の前にもう一度だけ、確認してほしいなあと願うのです。


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  • 西端 康孝 / コピーライター・歌人・川柳家

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