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「遺憾に思う」「遺憾の意」に謝罪の意味は含まれていない?

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「ありがとう」と「ごめんなさい」という言葉を素直に言える人って素敵ですよね。謝る状況になっているということは、相手が怒りなり不快感なりを覚えているということ。言い訳をするよりも先に、まずは相手の気持ちに触れる「ごめんなさい」という謝罪を伝えることは本当に大切なことです(自分が出来ているかどうかというと怪しいですが)

謝罪

「遺憾に思う」とは、どんな意味なのか

「遺憾の意を表する」「遺憾に思う」という表現はよく耳にします。政治家や経営者など、責任を負うべき立場の方がよく使いますよね。

「遺憾の意」「遺憾に思う」とは「残念に思う」の意味
謝罪の言葉ではない

遺憾は「残念に思う」「心残りである」というのが本来の意味。相手の行ったことについて使えば「そんなことしちゃったのかー、残念だなぁ」という意味になり、批判や非難のニュアンスを伝えることになります。

一方で。

記者会見などで経営者や政治家が、自ら(または自社・身内)の行いについて「遺憾に思う」と使うことがありますが、この場合も意味は変わりません。「うちの社員がえらいことしちゃいましたよねー、いやいや、残念残念。ほんとになんでそんなことしちゃったのかなー」というニュアンス。大袈裟に書きましたが、自らの行為について「遺憾」を使うと他人事の雰囲気になっているのがご理解いただけるのではないかと思います。

つまり、「遺憾」には謝罪の意味は含まれていないのです。「遺憾」という漢語はいかにも真摯な印象を与えがちですが、責任逃れの言葉であるともいえます。「申し訳ない」「お詫びする」「ごめんなさい」と、謝罪を明確に伝える言葉で相手の気持ちに触れることが出来ているかどうか。それを相手の言葉から感じ取りたいですね(もちろん、自分が使う場面でもそうです)。

ひとはミスをするものだから

ひとはミスをするもの。僕も経営者の立場ではありますが、社内でのミスについて叱らないように気を付けています。ただ、それはミスをしていいということではありません。ミスは叱らないけれど、約束を破ったら怒るというルールは伝えています。ミスがあったらその原因を冷静に分析して話し合う、そして、ミスを繰り返さないためにどんなアクションを起こすかということを約束する。そんな風にして質の高い商品やサービスを提供していくことが、会社全体の、会社を構成するひとりひとりの成長に繋がっていくのだと信じています。

「ごめんなさい」の次にこそ、人の真価が問われ、チャンスがあるのかもしれません。ミス、失敗をして俯くのではなく、前を見据える。伝えるべき言葉は素直に伝え、いま、自分はチャンスをもらったのだと思えるようでありたいですね。

同じ役人言葉「慚愧の念に堪えない」「陳謝」「不徳の致すところ」も覚えておく

同じ役人言葉で「慚愧の念に堪えない」という表現も、単に「残念だ」という意味を伝えていると思われがち。また「陳謝」と「謝罪」の違い、「不徳の致すところ」についても確認しておきましょう。

「慚愧に堪えない」「慚愧の念に堪えない」は「残念で仕方がない」という意味ではなかった! | コトバノ
陳謝と謝罪の違いと使い分け ~泣いて謝るだけでは陳謝(ちんしゃ)とは言わない? | コトバノ

また「不徳の致すところ」という表現も謝罪の場面でよく使われるようです。この「不徳の致すところ」にも謝罪の意味があるのかどうか、確認しておきたいですね。

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